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執筆者の写真奥田 伸行

真実から生まれたロゴ


ビクターのロゴは、蓄音機と犬が描かれています。


でも、このロゴには知られざるストーリーがあるんです。


このロゴを考えたのは、画家のフランシス・バラウドです。

正確に言えば、このロゴになる絵画を描いたのがフランシス・バラウドなのです。


つまり、このロゴはその絵画を引用したのです。

そして、この絵画はフランシス・バラウドが空想で考えたものではなく、実際に起きたものを描いたのです。

この犬の名前は、ニッパーといいます。

この犬はフランシス・バラウドの兄の飼い犬でした。

しかし、その兄が他界してしまうのです。

そこで弟のフランシス・バラウドが子供とともにニッパーを引き取ります。


そして、ある時蓄音機で録音していた兄の音声を流したところ、ニッパーは反応し、蓄音機の近くに行き、飼い主であった兄の声を聴いているそぶりをみせたのです。


それも目撃したフランシス・バラウドは、その絵を描きます。

その完成した絵のタイトルは、「His Master's Voice」にしました。


しかし、ここで矛盾点が生まれています。

私たちはわかりませんが、蓄音機に詳しい人ならわかるのですが、

この蓄音機は円盤式というスタジオ録音したものを再生する蓄音機で

兄の声が流れているというのは矛盾してしまいます。

ですが、もともとはシリンダー式の蓄音機で、個人の録音と再生ができるものを描いていました。

ではなぜ、描きかえたのか?

それはフランシス・バラウドがこの絵を販売しようとしたことがきっかけでした。

円盤式蓄音機を発明した会社に絵を売り込むと

「円盤式に変えたら、買い取ってあげるよ。」と言われ、

その通りに書き換えた、ということです。


そして、円盤式蓄音機の発明者・エミール・ベルリナーがこの話に感動し、このロゴを商標登録しました。そして、それがビクター社の親会社となります。


ビクター社のロゴには、素敵なストーリーが隠れていたのでした。




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