『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』を見に行きました。 レイトショーで人は十数人いました。 この映画は、世界的ベストセラー「デダリュス」三部作完結編を各国同時通訳し一斉に販売する目的のために、世界各国から選ばれた9人の翻訳家たちがパリに召集され、厳重にセキュリティのはられた場所で2か月間におよび、翻訳するところから始まります。そこでは携帯も没収され、隔離された部屋で仕事をするのです。 しかし、出版社長のアングストロームのもとに一部流出し、脅迫メールが送られます。 そして、翻訳家たちはお互いを疑い始めるのです。 途中、セリフで「翻訳家は、透明人間」という言葉が出てくる。 誰にも顔も明かされることもなく、作家の様に賞賛されることもない地味な存在だというようなことを言っていました。なんかこの言葉が翻訳家たちの虚しさを表わしたような気もするし、なんとなくそう感じてむなしい思いをしている人は違う仕事でもたくさんいるんじゃないか、と思って、ちょっとハッとしてしまいました。 主力の登場人物は謎めいているのですが、若者の翻訳家を演じたアレックス・ロウザーの演技がすごかった。どこかで見たことあるようなと思いながら見ていたのですが、あとで調べたら「イミテーション・ゲーム」という映画の名を見て、思い出しました。 主人公の少年時代の役を演じてた。(確かに、あれもすごかった。) アレックスの醸し出す雰囲気がほかの人とは違う、一般人とも違う独特な空気を放ち、何も考えていないような、だけど頭の中ではいろんなことを考えていそうな不気味な役で存在感を放っていました。 翻訳家たち、そして助手など謎めいていて、自分自身も誰が犯人かずっと考えながら見ていました。 少しずつ、トリックは明かされるのですが、何度か裏切られ、ストーリーは進んでいきました。 だけどもっと想像すれば導きだせるな、とも思える結果だったけど、まあ、後から何とでも言えますからね。 映画は裏切りが醍醐味ですから。
アレックス・ロウザー、注目しとこ。 面白かったー。
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