今回は、ジャン・ティングリーをご紹介いたします。
ジャン・ティングリーは廃品をあつめて作品をつくるキネティック・アート(動く美術作品)の代表するアーティストでした。
1925年、スイスで生まれ、バーゼルで美術を学びます。
ティングリーはクルト・シュヴィッタースという芸術家の影響を受け、ダダイスムなどに関心を持ちます。
ダダイスムとは、1910年代に起こった芸術運動のことで、そのころに起きていた第一次世界大戦に対する抵抗や虚無感が根底にあり、今までの既成概念を壊そうといった運動でした。
1950年代ではいろんなアーティストと知り合います。
その中には、のちに妻となるニキ・ド・サンファルもいました。
50年代末には、家電や機械の一部を組み立ててつくって動く作品を制作し始め、「メタマティック」(自動デッサン機)シリーズを発表します。
1960年には、ニューヨークのMOMAで『ニューヨーク賛歌』を発表し、この作品は最後には自ら壊れる自爆装置までついていました。
そして1971年、長年付き添っていたニキ・ド・サンファルと結婚をします。
その後、パリの有名な現代アート美術館ポンピドゥーセンターに隣接する広場に「自動人形の噴水」を共同で製作するなど、世界各国で多くのパブリックアートを残しています。
そして、日本にも、セゾン現代美術館(長野県)で「地獄の首都No.1」という作品が現存しています。
そして、1991年。
ジャン・ティングリーはこの世を去ります。
今では当たり前の制作方法も、このころにはなかったのです。
まだまだこの世界にはそういったものがあるのかもしれません。
それはアートだけでなく、ビジネスでも日常にもあるのではないでしょうか?
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