世間話にちょっと使えるアート。
エミール・ノルデをご紹介します。
エミール・ノルデは木版画、水彩画が有名な画家です。
1867年、デンマークで生まれます。そして、生まれた土地がノルデという街でした。
あれ?と思いませんでしたか?
地名が名前になることって珍しいですよね?
日本人でも苗字が地名になることは多いですが、わざわざ名前を地名にする人はいないと思います。
が、これは実は芸名なんです。
本当の名前はエミール・ハンデン。
1904年から、ノルデと名乗るようになります。
ノルデはナチス支持者でした。
しかし、宗教を冒涜する絵などノルデは退廃芸術展にさらされ、画家活動を閉ざされてしまいます。しかし、小さな絵に『描かれざる絵』をこっそり戦時下で創作を続け、戦後は様々な小さな絵を大きい絵にする作業に費やしました。
ノルデはナチス支持者として知られていますが、ノルデはナチスに迫害された画家としてのイメージが強くありました。
それは退廃芸術画家=反ナチスの証というイメージが広まっていたからです。
しかし、2013年、ノルデ財団のディレクターが変わり、ノルデの今まで公表されなかった情報が公表されたのです。
そこにあったのは、ノルデはナチスへの深い傾倒や、反ユダヤ発言も明らかにされました。しかし、ノルデ自身退廃芸術展が納得できず、いろいろなところに手紙を出し、のちに作品は除外されています。
他にもヒトラーと仲良くなるために、ヒトラーと仲の良かったエルンスト・ハンフシュテングルという人とノルデの妻に親交があり、ヒトラーと食事をしたこともあります。
そして、その時にノルデの絵をさりげなく飾り、ヒトラーが絵に興味をもった話しもあります。
ノルデは悲劇的なヒーローと扱われていましたが、ヒーローではなくダークであることが明らかになってしまいました。
ですが、アーティストにとってヒーローとは関係のない人種ではないでしょうか?
ヒーローでもダークでも受け入れる。そこにアートの神髄がある気がします。
ありがとうございました。
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