今回は、ケーテ・コルヴィッツをご紹介します。
父は左官屋の親方をしていて、裕福な家で育ちます。
そして、そういう環境にいたことで父の仕事場の職人から絵や銅版画を教えてもらいます。
そのあと、絵の勉強でベルリンに向かいます。
ケーテはそのころから光るものがあり、教師から絵について熱心に教われます。
このころから河港で働く労働者を描き始めます。
ケーテはこれまで鉛筆などで描いていたのですが、色彩を始めますが、自分の感覚にあわず、モノトーンこそ自分の表現するものだと再認識します。
そして、貧困や苦しみといったものをモチーフに作品をつくり、最初の版画連作『織匠』を発表すると、一躍脚光を浴びます。
その後も版画を制作し、彫刻も手掛けるようになります。
しかし、1914年、第一次世界大戦が勃発し、出兵した息子を失います。
ケーテは息子の死と出兵を後押ししてしまった罪悪感に長年、さいなまれることになります。
そうしたこともあり、戦争や母と子供などを題材とした作品も現れるようになり、一方では社会主義運動や平和主義運動にも参加しました。
彼女は芸術家として高い評価を得ていましたが、ナチスにより退廃芸術の排斥がはじまり、芸術会員や教授職を失い、つくることも禁じられていました。しかし、ケーテはその間もこっそりと作品を続けていました。
しかし、第二次世界大戦がはじまると今度は孫が戦争で命を落としてしまいます。
そして、ケーテも1945年、生涯を終えます。
Comments