東洋絵画の美しさを見出し、男は研究した。
その男の名は、小林古径。
古径は渡欧した際、写実に対する東西の相違に着目し、東洋の古典にある存在感を自らの絵に取り入れようと試み、作品をつくり上げていった。 その中の作品でも「髪」という作品は、裸体画として、日本で初めて切手のデザインとなった。 古径の住居として東京都に建築された住居は新潟県に移築・復原され、国の登録有形文化財に登録されている。 古径は、「私が好きになるような家を建ててください。」と言っただけで一切注文を出さなかったという。古径は家ができあがってもすぐには移り住まずに通ってきては眺めて楽しんだというエピソードも残っている。 また、古径は絵画における写生の重要性を認識しており、庭の植物や庭で飼育した鳥などを写生したという。
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