今井俊満は、アンフォルメルの第一人者である。
アンフォルメルとは、1940年代から1950年代にフランスを中心として流行した激しい抽象絵画である。
パリに私費留学し、アンフォルメル運動に参加した。
1956年日本橋、高島屋で「世界・今日の美術展」に作品を出品した。
それが日本で初めてのアンフォルメル作品の展示であった。
今井俊満は次々と抽象絵画を創作し続けたが、1980年代、作風を抽象絵画から具象絵画に変える。
それが、「花鳥風月」シリーズである。美しい花びらがかかれているが、どこかではそこに抽象絵画が含まれているような独特な絵であった。
そして、晩年には「コギャル」をモチーフにした作品を書き続けた。
そこには現代や、その時代の女性、若者を表わしていたのではないか、と感じる。
今井と同年代なら毛嫌いしていたはずの「コギャル」に興味をもつとは、やはりいつまでも若い心を持っていたのではないか、と思うし、一般の人とは違う感性をもっているのがわかる作品である。
そして、21世紀を迎えたばかりの2002年、今井は膀胱がんでこの世を去った。
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