ルーチョ・フォントナは、20世紀を代表する芸術家です。
フォントナはイタリアで生まれ、父親が建築関係の仕事をしていました。
それもあって、フォントナは建築を学び、父親の工房を手伝うときもありました。
しかし、大学のコンクールで受賞したことをきっかけにアートに興味を持ち始めます。
フォントナは彫刻からはじまり、様々な手法で、作品を制作しました。
中でも有名なのが、
キャンバスに切れ目を入れる作品があります。それはフォントナの代名詞といっても過言ではなく、こういった作品は約1000点ほど存在しています。
その多くは、『空間概念 期待』と名付けられています。
これには、ちゃんとした意味があります。
本来このタイトルはイタリアで名付けられているので説明します。
一つの切れ目のある作品には、
『Attesa(アテッサ)』という期待を意味する単語をつけられ、
複数の切れ目のある作品には、
『Attese(アテッセ)』という期待を意味する複数系の単語が使われているため、
この切れ目自体に、期待という意味がこめられているのです。
そして、フォントナはこんなことを言っています。
『画家として、キャンバスに穴を穿つとき、制作をしようと思っているのではない。
私はそれが、閉鎖された芸術の空間を超えて、無限に広がるよう、空間に穴をあけ、芸術に新しい次元が生みだし、宇宙を結び付くことを願っている。』
と語っています。
フォントナは言葉のとおり、芸術に新たな空間をあけた芸術家でした。
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